印刷 よもやま話
ポスターの紙を選ぶとき
ポスターの用紙を選ぶときに重視するポイントはいくつかあります。
「とにかく写真を綺麗に魅せたい」「落ち着いた雰囲気にしたい」「安価に作りたい」などの目的別で選ぶ場合は、これからご紹介する項目を参考にしてみてください。
■「写真を綺麗に魅せたい」場合はアート紙・コート紙
写真が多いデザインや、写真が映えたポスターを作りたいときは、アート紙・コート紙を選んでみましょう。
アート紙・コート紙とは、紙の表面にコート剤が塗布された用紙のことです。
塗布量がアート紙は40g/㎡程度、コート紙は20g/㎡程度と異なります。
どちらも表面がつるつるしていて、色彩表現に適している用紙です。
海の青色や果物の赤など鮮やかで濃い色を再現したい場合や印刷再現性に特化したい場合はアート紙、ある程度の印刷再現性が欲しいけれど大量生産もしたい場合はコート紙を選んでみましょう。
<メリット>
・表面が円滑で印刷再現性も高い
・色彩表現も優れていて写真映えする
・高級感がある
<デメリット>
・表面の光沢で反射してしまい屋外での利用にはあまり適していない
・価格が高く大量生産に向いていない ※アート紙の場合
・鉛筆やボールペンなどでの書き込み、スタンプ押印には不向き
■「落ち着いた雰囲気を出したい」場合はマットコート紙
視認性が高く落ち着いた雰囲気のポスターを作りたい場合は、マットコート紙を選んでみましょう。
マットコート紙とは、紙の表面につや消しのコーティング加工がされた用紙のことです。
コート紙に比べてつるつる感が少ないので、触っても指紋が残るようなことがありません。
また、光沢も抑えられているのでしっとりとした大人っぽい雰囲気に仕上がります。
<メリット>
・視認性が高く落ち着いた雰囲気を出せる
・光沢が抑えられているので目にも優しい
・鉛筆やボールペンなどで書き込むことができる
<デメリット>
・写真再現度はアート紙・コート紙に劣る
・耐水性がなく日焼けにも弱いので、屋外の使用に向かない
■「安価に作りたい」場合は上質紙
社内掲示などでなるべく費用を抑えてポスターを作りたい場合は、上質紙を選んでみましょう。
上質紙とは、紙の表面に何も塗布されていない、純粋にパルプ原料から作られた用紙のことです。
紙そのもののナチュラルさを生かし、イラストやデザインを優しく柔らかな雰囲気に仕上げられます。
また、インクが紙に吸収されやすいことから文字がはっきり印刷されるため可読性が高く、文字メインのデザインに特におすすめです。
印刷された上からペンで書き込む際や、スタンプ押印をする場合もインクがなじみやすいです。
しかし、発色や写真の再現性は落ちてしまうという欠点もあります。
<メリット>
・イラストやデザインを優しく柔らかな雰囲気で再現できる
・可読性が高く安価
・鉛筆やボールペンで書き込みができ、スタンプなどインクの吸収も良い
<デメリット>
・写真再現度は低い
・耐水性がなく、湿気に弱い
ポスターの用紙を選ぶときは、利用場所も大きなポイントになります。
屋内か屋外か、どのような環境のもとで飾られるのかシチュエーション別で考えていきましょう。
■ 「屋内」で写真を綺麗に魅せたい場合はアート紙・コート紙
ご紹介したとおり、アート紙・コート紙は色鮮やかでメリハリのある写真のようなポスターに仕上がるのが特徴です。
表面はつるつるしており、光を反射する性質があります。
例えば、化粧品のポスターや百貨店のブランドショップのポスターにアート紙・コート紙を選べば、鮮やかな発色で商品の写真が際立ちます。
また、飲食店のメニューポスターなどでも食品がより美味しそうに映えるので、宣伝効果は抜群でしょう。
■ 「屋内」で落ち着いた雰囲気を出したい場合はマットコート紙
取り上げたマットコート紙は、表面はサラサラとした質感で光を反射しないため、照明の明るい場所でも視認性が高く、落ち着いた印象を与えてくれます。
例えば、企業のイメージポスターなどにマットコート紙を選べば、落ち着いた雰囲気をアピールできます。
また視認性の高さから、時間割や発表用のポスターなど学校の掲示物として選んでもよいでしょう。
■「屋外」で天候に左右されず飾りたい場合は合成紙
屋外使用の場合、直射日光や紫外線、雨や雪、風などのさまざまな気候要因にさらされます。そんなときは合成紙がおすすめです。
合成紙とは、石油から作られる合成樹脂を主原料とした用紙のことです。
代表的な合成紙としては株式会社ユポ・コーポレーションの「ユポ」が有名です。
ユポは、ポリプロピレンで生成されているため、水分による強度低下や変質がありません。
合成紙は、街で見かける選挙のポスターや選挙の投票用紙などで使われています。
一工夫するだけで屋内用の用紙も屋外で使えるかも
アート紙やコート紙、マットコート紙は「屋内」利用におすすめですが、そんな一般的な用紙でもPP、パウチ(ラミネート)加工を施すことで耐水性を確保することができます。
しかし、加工することによってテープで固定しにくくなったり、折りたたみづらくなったり、重くて扱いづらくなったりするほか、新たなコストも発生します。
予算に余裕があるようでしたら一案としてご検討ください。
■SDGsなポスター用紙
連日謳われているSDGsの話題ですが、ポスターの用紙選びでも取り入れることができます。
今回は、FSC®認証紙や間伐紙などの環境に優しい用紙や、石灰石を使った新素材、温室効果ガス削減に寄与できる用紙を取り上げました。
■ 環境に優しい用紙
環境に優しい用紙、と一口にいってもさまざまな種類があります。
今回は厳選した3種類をご紹介します。
FSC®認証紙
適切に管理された森林の木材を使用して作られた用紙のことです。
FSC®認証紙の銘柄は年々増えているので、イメージに合った用紙を選ぶことができます。
一番手軽にはじめられるSDGsな紙選びと言ってもいいかもしれません。
間伐材紙
間伐によって生じた木材を使用して作られた用紙のことです。
適切に間伐することで草木が生えやすくなり、栄養豊富な森林作りをお手伝いすることができます。
選ぶ種類によってコストがかさんだり事前の在庫確認が必要だったりデメリットがありますが、何よりも社会のためになるという大きなメリットがありますので、ぜひ選択肢に入れてみてください。
■水や木を節約できる新素材
LIMEX(ライメックス)
LIMEXは、石灰石を主原料として作られた紙・プラスチックの代替品となる次世代素材です。
石灰石は埋蔵量が豊富、かつリサイクルの際の劣化がほとんどないため、枯渇リスクが非常に少ない資源です。日本でも100%自給自足できるといわれています。
一般的な用紙とは製造方法が異なり、水を使う必要がほとんどないので、水資源の保護にもつながります。
また、耐水性・耐久性にもとても優れています。
全面がラミネート加工されたかのように水に塗れても破れず、手で裂くのも困難なほどです。
高価な選択ですが、水気と接触する屋外や飲食店での使用にはもちろんのこと、素材の話題性も十分です。
まとめ.ポスターは用紙選びが命
駅構内や百貨店、イベント会場など日々多くの場所で見かけるポスターですが、その用紙選びはとても大切な役割を担っています。
どのようなことを伝えたいのか、どんな場所に飾るのか…目的・シチュエーションに適した用紙を選ぶことでポスターのすべてが決まる、といっても過言ではありません。
一般的によく使われる用紙に加え、環境にやさしい用紙についても取り上げました。
環境問題が叫ばれる昨今、SDGsという視点でのものづくりも非常に大切です。ぜひ選択肢に入れてみてください。
ここは大阪の下町、生野区にある株式会社大澤印刷。
宣伝活動に利用できる、一筆箋、ポスター、タペストリー・のぼり、ショップカードの作成や、商店街様の売り出しに使用する販促品、スタンプカード等の
宣伝物はもちろんの事、法人様の、御名刺、各種封筒、各種伝票、各種挨拶状、会社案内、社内報の作成、スローガンや、各種学校様の学校案内、就職ガイド、
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