印刷 よもやま話
電子化のメリットデメリット
カーボンニュートラルの実現を目指す日本では、地球温暖化の原因となるCO2(温室効果ガス)を削減する働きが求められており、その取り組みの一つがペーパーレス化です。
紙の製造工程においては、大量のCO2が排出されています。その量はA4の紙1枚で約6.5gと紙の重さ以上です。また、紙の原料となる森林の減少についても考えると、ペーパーレス化を促進することは、CO2削減にとって大きな効果があると言えます。
さらに、ペーパーレス化を促進することは、企業として社会問題へ取り組む姿勢をアピールすることにもつながります。
■業務の効率化
紙媒体の書類が多いと、わかりやすくファイリングしていたとしても、情報にたどり着くまでには、ある程度の時間が必要になります。
問い合わせがきて、書類を確認してすぐ返事をしたいのに、一度資料を探しにいかなきゃいけないから、回答に時間がかかってしまう…。
そんなとき、電子化された資料があれば、パソコンからすぐに確認することができます。
電子化することによって、資料の検索が容易になり、業務の効率化につながります。
メリット1:検索性アップ
電子化すれば、資料の管理がしやすくなります。
たとえば、新しいプロジェクトを進めるにあたって過去のプロジェクトを参考にしたい時、資料がすべて紙媒体保管で正確な作成時期などがわからなければ、数ある資料をすべて確認し探し出さなくてはなりません。
しかし、資料を電子化していれば、キーワードで絞って探し出すことができます。資料を探す時間が大幅に削減できるでしょう。
メリット2:省スペース
請求書や納品書などの取引に関するものから、会社全体の会計帳簿、人事・労務関係のものまで、会社にはさまざまなデータがありますよね。法定保存文書は、最低限の保存期間が法的に定められており、その期間は保管する必要があります。
紙媒体の場合、どんどん資料がたまっていき社内に保管しきれなくなったら、倉庫を用意するなど外部にスペースを確保しなければなりません。
しかし、電子化して保存容量を増やせば、データが増えても対応できます。
資料保管場所として物理的なスペースを確保しなくて良いので、オフィスも広々使えます。
メリット3:劣化・紛失防止
紙媒体は年月が経つと変色したり耐久性が落ちたり、どうしても劣化してしまいます。
電子化すればいつでもどこでも同じ状態で資料を閲覧できます。
オフィスが洪水や火事などの災害にあったときも、紙媒体だと復旧は難しいですが、電子化していればデータのバックアップがあれば事業の早期回復がしやすいでしょう。
また、電子化した書類ならすぐに検索して探すことができるので、業務の担当者が変わっても書類がない!と困ることはなくなります。
デメリット1:費用がかかる
電子化した文書を管理するためにはソフトが必要なので、導入・運用費用がかかります。ソフトはさまざまな種類があり、安価なものもありますが、高機能なものほど高くなります。
導入の際には、どのような機能が必要かよく検討して、過不足のないソフトを選びましょう。
その他にも、書類を電子化するためにパソコンや複合機などの設備を一新する必要があるかもしれませんし、大量に書類がある場合はスキャンするのにもかなり時間がかかります。
費用的にも時間的にも、初期コストがかかるでしょう。
デメリット2:慣れるまで時間がかかる
電子化した文書はパソコンやタブレットで確認します。しかし、画面のサイズには限りがあるので「複数の資料を、並べて表示すると文字が小さくなる」「全体が画面に収まらない」といった問題が起こることもあり、一覧性では紙媒体には劣ります。
また、検索はどこからどうやって確認するのか、保存するときはどのようなファイル名をつけるのかなど、管理ソフトの操作やルールも新しく覚える必要があります。
このように、紙媒体に慣れ親しんだ社員が、電子化に慣れるまでは多少時間がかかるかもしれません。
デメリット3:システム障害
電子化された紙媒体は、サーバーやクラウド上に保存されます。
なんらかの理由でシステムに障害が起きたり、インターネット環境が不安定になったりすると、一時的に閲覧できなくなる可能性があります。
すぐに確認したい書類も、復旧するまで待たなければいけません。
予期せぬシステム障害に慌てないように、日頃からハードウェア・ソフトウェアのメンテナンスや強化をしておきましょう。
まとめ.電子化をスマートに取り入れよう
作業面でもコスト面でもメリットがある電子化。
しかし、使い慣れている紙媒体での作業を電子化するのにも、手間やストレスがかかるかと思います。最初からすべて電子化する必要はありません。
「保管場所が無くなってきたので取り急ぎすぐに電子化に対応できそうな文書だけ」「検索性を上げるためよく使う文書を」…など、目的に合わせて導入していってもよいかと思います。
メリット・デメリットを理解し、上手に電子化を取り入れて業務の効率化を目指しましょう!
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